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カテゴリ:写真集( 4 )

写真家 西澤豊氏を悼む

1月16日 西澤さんが亡くなった。突然だった。その一瞬思ったことは「間に合って良かった」。去年出版した写真集が結果的に彼にとっての最初で最後の写真集になってしまった。でも、最低限の恩返しが出来たのではないか。借金は残ったが、長年の夢も実現出来た。                            25年前、突然の出会いだった。以前いた事務所にふらっと営業に来たのだ。偶然私が対応した。その時に見た写真の印象があまりにも強烈だった。その後も機会あるごとに会えば建築の話をした。彼の建築に対する愛情ある厳しい意見は、その後の私の建築観を一変するものだった。彼が撮りたいと思う建築を作ることが私のモチベーションになった。そして、一昨年ひとつの区切りが来た。なぜかあの時、今彼に撮ってもらう時だと思ったのだ。すぐに彼に電話をし、撮り始めた。一軒に30分もかからないほど早撮りの彼だが、カメラを覗くその姿は、とても自由で楽しそうだった。やはり写真は想像を超えていた。私は感動した。その時、今回の写真集は成功したと思った。実はそのとき同時にやな予感があった。「これが最初で最後の写真集になるのではないか」と。それが今現実になってしまった。撮影スケジュールも体調不良でしばしば狂った。70代後半の彼の体にはかなりきつかったようだ。もう彼に撮ってもらうことはできない。でも、いつか再開した時に恥ずかしくない生き方をしようと心に誓ったこのひと月だった。
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by unocolumn | 2011-02-22 14:57 | 写真集

1/14 書店向け案内文

事務所開設20年を記念しての全29作品を載せた初の作品集。これは単に建築家の作品を紹介する建築作品集とは違う。あくまでも写真家西澤豊が見た宇野友明の建築を紹介するものである。建築は体験することでしか得られない感動がある。写真は写真でしか伝えられない美しさがある。この作品集はその境界を明確にするところから始まっている。したがって、建築の紹介というより写真の芸術性に重きをおいたものになっている。

忘れられない一枚が見つかれれば・・・


他に備忘録として「言葉」、資料として「図面」を載せた。
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by unocolumn | 2010-01-13 22:23 | 写真集

5/27 写真家 西澤豊

彼はいま、世界的にみても最も貴重な写真家の一人だと思う。
著明か否かは、ボクにとってはどうでもいいこと。

彼のレンズに入るものは、すべて美しくなってしまう。
それがゴミでもだ。
現場に着くなり、なんの準備もないままにそのまま撮り出す。
そして、あっという間に終わる。

彼はいつも言う。
「いい時期とか、いいタイミングなんてない。
ましてや邪魔なものとか醜いものなんてない。
すべては必然で自然なこと。」
「写真家がじゃまだと思えばそう写る。
すべて美しいと思えば自ずと美しくなる。」
すべてが一期一会の必然を受け入れてシャッターを押す。
そこに自分を持ち出しても何も良いことがないのを知っているのだ。
ボクには到底到達出来ない世界だ。
でもこれは、求め続けている「禅」の世界そのままだ。

また、彼は以前、駆け出しのボクにこんなアドバイスもくれた。
「どんなもので飾ってもピラミッドはピラミッド。
使い方で存在感が揺らぐような建築は、初めから作らない方がいい。」
これがその後の建築を作る指針となった。

彼と知合って25年、いつか彼と作品集を作るのが夢だった。
彼の年齢を考えると、もうそれほど時間はないと思った。
おそらく今回が最初で最後になるだろう。

建築は、体験すること以外に感動は伝えられない。
写真では、建築の感動は伝えられない。
だから写真は、写真の感動があるべきだ。

「写真」のリアルティー。
「家族」のリアリティー。
そして、少しだけ「建築」を感じられたら価値のあることだと
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by unocolumn | 2009-07-27 13:22 | 写真集

5/26 撮影を終えて

撮影を始めた頃は、その作業の大変さにプレッシャーを感じていたのですが、28軒を撮り終えて、今は全く予想もしなかった感慨に浸っています。それはありきたりですが「感謝」という気持ちです。

 すべてのお施主さんに快く撮影のお許しをいただいたこと。お伺いした際も、いろんなお話が楽しく出来たこと。「私が今あるのはこの人たちのおかげだ。そして、今もこの人たちに支えられているんだ。」「お役に立てていたんだ。そして、これからもお役に立てるような人でいたい。」と心から思えたこと。私の未熟な設計のためにご迷惑をおかけしていることもあるでしょうが、これまで大きな問題もなくこれたことは、本当にお施主さんと職人に恵まれていたことを気づかされた撮影でした。

 これだけでも写真集を作ろうとした意味があったような気がしています。でも、これで守りに入らずに新たな挑戦へのステップにしたいと今は思っています。
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by unocolumn | 2009-07-27 13:20 | 写真集