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カテゴリ:本・言葉( 35 )

8/12 建築家 白井晟一の言葉

「初心忘るべからずというところかな。能藝のことは知らないが、建築の修行にも世阿弥の稽古精神はそのまま遵奉(じゅんぼう)してよいと思う。不断の、そして老後もなお初心を忘れるようでは自分を全う出来ない。人間は器用な動物だけれど、こういう単純な原理に縛られている。そういうことでは建築家も職人も同じはずと思うんだが、建築家の場合は、頭の中だけで終わってしまうことが多いのではないかと思う。比較的実力ありと思われる建築家に、かえってそういうのが多い。形の新奇をねらうのはよいが、ディテールが不誠実なのはそういう心がけが欠けているんだ。いい建物は、たしかな構造とひとをひき上げられる形を持っていると同時に、充実した空間は誠実なディテールの集積だと思う。手が込んでいるとか、上質な資材を磨き立てることとは違うよ。歴史を作ろうという思い上がりよりは、時間に堪えられるとか、丈夫で長持ちなものをつくることを後ろ向きだと思う心得違いのものもきっといるね。そういうこと(時間に堪えられるとか、丈夫で長持ちなもの)が建築家の良心だし、正義感というのも、この辺の人間的な反省から自然に湧いてくる実感にならぬといけない。けれどこういった建築の質と建築家の倫理とはマスコミの素材とはならない。」
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by unocolumn | 2009-08-12 11:25 | 本・言葉

建築の詩

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建築は詩―建築家・吉村順三のことば一〇〇



すばらしい言葉ばかりですが、ひとつだけ紹介します。

  心の豊かさ
     建築は、はじめに造形があるのではなく、はじ
     めに人間の生活があり、心の豊かさを創り出す
     ものでなければならない。そのために、設計は、
     奇をてらわず、単純明快でなければならない。
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by unocolumn | 2009-08-12 11:01 | 本・言葉

8/12 「 デザインの10原則」

1、良いデザインは革新的である。  
  新奇なものを生み出すのではなく、新しい技術を暮らしに役立つもの  として提供します。  
2、良いデザインは、製品を有用にする。
  本当に必要な機能を備えた商品であること。また、その製品を使う人  の生活環境に合うものであること。
3、良いデザインは、美的である。
  日々身近にあるものこそ、美しくあるべきです。
4、良いデザインは、製品をわかりやすくする。
  操作や扱いが誰にでも分かるようにします。表示の文字は見やすく、  意味がすぐに理解できるようにします。人の自然な行動に添うように  します。
5、良いデザインは、押しつけがましくない。
  日用の道具は、芸術品でも、ましてデザイナーの自己表現のためのも  のでもありません。使う人の生活の場に自然にとけ込むように、控え  めにします。
6、良いデザインは、誠実である。
  実際より良く見せる、見せかけだけのデザインはしません。誤った期  待をもたせるような過大な宣伝などはしません。良いデザインは、も  のをそれ以外にもそれ以上にも見せることはありません。
7、良いデザインは、恒久的である。
  流行を追いかけて短期間で消費される、使い捨てのデザインはしませ  ん。
8、良いデザインは、あらゆる細部まで一貫している。
  隅々まで徹底して気を配ります。製品だけでなく、読みやすい説明   書、取り出しやすいパッケージなど。
9、良いデザインは、環境に優しい。
  資源を無駄にしない、自然環境を汚染しない。また生活環境を見苦し  くするようなデザインはしません。
10、良いデザインは、できるだけ少なく。
  真の豊かさとは何か。より少ないもので、より多くの豊かさをめざし  ます。

               デザイナー  ディーター・ラムス
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by unocolumn | 2009-08-12 10:27 | 本・言葉

8/4 職人の魂

雑誌「住む」の一節です。主に筆記用具を作るドイツ人である木工職人(マイスター)のシュテファン・フィンクのことを、漆塗り職人の赤木明登氏が紹介しているものです。

「職人」と「作家」の境界について、時々思い悩まされる。(中略)自分で「作家」とか「アーチスト」を名のることに、どこか違和感がある。作られた作品のオリジナリティ〈起源〉を、制作者である個人に求めるのが、作家ではないか。さらに作家には自己表現という重要な仕事があるようだ。そのどちらもイヤなのだ。ボクの作ったお椀のオリジナリティは、ボク個人にはない。〈それは、過去の人間のながーい営みの中にある〉。自分なんかを表現して何になるかと思っているし、そもそも表現するような確かな私があること自体を疑っている。(中略)「機能性こそが、私にとって芸術的です」。シュテファンの明快な言葉を思い出す(中略)そもそもヨーロッパで、芸術作品〈アート〉と呼ばれるのは、絵画とか彫刻とか用途も機能もないものに限られてきた。機能性を持った家具や花瓶などは、どんなに装飾的に作られていてもそれらは工芸品〈クラフト〉でかったか。そしてアートを担うのが作家で、クラフトを担うのが職人ではなかったのか。(中略)彼はあくまでも職人なのだ。にもかかわらず、シュテファンの作る一本の万年筆を手に取ると、何か芸術的なものを感じてしまう。ここでいう、芸術的なものとは、高い精神性、完璧な技術、生き生きとした作る喜び、選び抜かれた素材、そういったものが複合して揺り動かす心のふるえのようなものだろう。(中略)現在、多くの職人仕事のつまらなさについて。人の手が、機械のマネをしたように、きちっとものをつくる。上手になりすぎると、技術だけになって、作られたものがつまらなくなってしまう。(中略)シュテファンの仕事を一週間彼の工房で見つめてきた。基本となる形は、極めてシンプルで三つしかない。でも彼の生み出すペンは、一つ一つその太さや、膨らみのピークが微妙に違う。その違いは、工房の中で自然に現れてくる。木目をしながら仕事をどこで止めるか、木の堅さ、その時の気分、心地のよさ!そういったものの結果として「ゆらぎ」が生まれてくる。この「ゆらぎ」こそが、本当に職人的な仕事のおもしろさを支えているんじゃないかな。
そのおもしろさを失わないようにと、彼は、自分の作る物の数をぎりぎりまで抑えている。自分が楽しくできる量で止めておきたいのだ。限界を超えると仕事が苦しくなる。一つ一つの表情の違いを、まず自分が楽しみたいのだ。(中略)ものを自らの手で作り出す、そしてそのことを心の底から自分で楽しむ。それ以外に、作られたものを使う人の心を揺さぶる方法はない。(中略)「小さな子供たちは、大事そうにボクのペンを手にとって、とても純粋な目で見ている。何の知識も経験もなくても理解できることがある。それは、木の魅力。シンプルな形の魅力なんだ。何の先入観も下心もなく、ただものを楽しむような……」。きっと、子どもたちが見せてくれたキラキラした表情と同じ目をこの人も持っている。シュテファンは、その目を通して、世界と一つになることができるんだ。 以上

この紙面にあるコピーも印象的なので、紹介します。

「よい筆記具は手をよろこばすことができる」

「手でものを作ることで繋がっていくこと」

「きちんとよいものを作るという生き方」
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by unocolumn | 2009-08-04 16:44 | 本・言葉

3/20 完成

"Perfection (in design) is achieved not when there is nothing more to add,but rather when there is nothing more to take away."
「完成(デザイン上の)とは、付け加えるものが何もなくなったときではなく、むしろなにも取り去るものがなくなったときである。」             サン・テグジュペリ

彼は童話を書くこと以外に飛行機の設計家でもありまた。航空力学や重量、安全、スペースなどのぎりぎりの条件の中での飛行機の設計は、無駄なデザインなど入り込む余地のない究極の設計です。それに比べ建築はどうだろう。しかし、美しいものを作る何らかのヒントにはなるのではないだろうか。
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by unocolumn | 2009-07-27 12:56 | 本・言葉