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4/4 施工をするということ

私の仕事の特徴は、設計施工一貫方式ということです。以前は工務店に発注していた時期もありましたが、私にとっては主に以下の理由でとてもストレスの多い仕事でした。

 1、仕事に対する熱意の相違
 2、経済的、技術的な問題で工務店の意思が働いてしまう。
 3、施主と工務店の利益調整に限界を感じた。
 4、経験、技術、信頼感の問題で高い見積になってしまう。
 5、工務店の見積では、施工方法や実質的な
   工事原価が見えにくく施工全体を把握できない。
 6、職人との信頼関係が築きにくい。
 7、現場は建築家にとってのライブコンサート。最も楽しい場所。

 私の仕事は信頼関係で成り立っています。施主と家づくりの現場がシンプルな関係で繋がっていなければなりません。そこに不確定な部分や説明できない部分があることはとても危険なことです。それを解消するために工事を請け負い、私が直接職人に発注する形態をとりました。それによって私の意思がストレートに現場に繁栄し、施工原価も把握できるようになりました。もちろん現場管理費はいただきますが、その他は施工原価そのままで契約をするので信頼関係がより高まりました。そして何よりも設計監理だけをしていた時よりも仕事が楽しくなりました。気心の知れた職人たちと現場で意見を出し合いながら最善を尽くしていくことはとてもやりがいのあることです。そこにはもう工務店の意思は入りません。私の決断ひとつで良くも悪くも決まっていきます。責任は重いですが、そのライブ感はかけがえのないものです。

 今ではこの方式も確立し、求められるのは私の設計精度とその質です。工務店の意思を排除した今は、既製品や工業製品などの企業の意思を出来るかぎり排除することに務めています。サッシ、取手、建具金物、レバーハンドル、ポスト、インターホン、照明器具等々・・・

 ※ PS 今ひそかにテレビも企んでいます。
by unocolumn | 2009-07-27 13:11 | 設計・施工
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