1、信頼は責任を超えられない。
全てはこれに尽きると言っても過言ではない。信頼があれば多くのことは実現可能だし、かなりのことを省くことが出来る。最も無意味なことが,コンセプトワークとプレゼンテーション。そんな電通まがいの”騙しのテクニック”を最高学府の大学で力を入れて教えていることにも愕然とする。建築を騙し切ることはできない。建築の寿命は、それよりも永いからだ。大切なことは等身大の価値をありのままに伝えること。そして,それが受け入れられるための人間力を磨くこと。人間力とは信頼を得る力のこと。信頼は責任の重さ以上には得られない。多くの建築家が,必ず突き当たる壁がここにある。建築家が担うコンプライアンスという責任は、彼らが思うほど大きくはない。いまやコンプライアンスは前提条件である。建築の責任は経済がその大半である。それを知ってかしらずか建築家は、ちっぽけな責任を振りかざすので現場は混乱する。そして、クライアントは誰を信頼すべきかいっそう混乱する。
悩んでいる建築家の皆さん。もう分かっていると思います。逃げるのはもう止めましょう。ぜんぶ責任を取る覚悟を決めれば楽になります。そのためのスキルを身につけましょう。今後数回に分けて私がやってきたことを紹介します。