ブログトップ

column

unocolumn.exblog.jp

自然に任せる               木のこと

いま、僕の建築に木は欠かせない素材となっている。しかし、その使い方でその表情や意味が全く変わってしまう。心掛けていることは、その個性や表情を生かすこと。それには最大限の智恵を使い、最小限の加工に留めること。細く切り刻み、貼り合わせ柱にしたり、巾ハギにして天板にするとその個性や表情はたちまちに失われてしまう。それはすでに木ではなく、工業化された新建材といってもいい。そういう仕事をしているうちは、本当の木のことはわからない。相手は自然。ちっぽけな人間の力や知識で太刀打ちできるものでもない。その個性(=くせ)を読み解く智恵とそれを受け入れる度量がなくてはできない。ましてや自分の技術を見せびらかすものでもない。主役はあくまでも木だ。一期一会の仕事だ。だから、同じ納まりも同じ形もないはずだ。
 30数年建築にかかわり続け、特に最近実感することがある。それは “自然に任せる” ということ。自然を信頼すること。自然を愛すること。それが自分の想像を超え、経験したことのない豊かさを与えてくれることに気づきはじめたからだ。真に豊かな建築を作るには、人だけでなく、自然に対しても信頼がなくてはダメだ。
[PR]
by unocolumn | 2011-04-04 12:47 | 建築観
<< さくら 縁ある人に >>