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"寛容”

先日、免疫学者の多田富雄氏が亡くなった。氏が生前強く訴えた「寛容」という言葉が心から離れない。頻繁に起こる幼児虐待や異様な殺人事件は、「寛容」が社会から亡くなりつつあるからだ。それは、人が自然のなかで生活する機会が少なくたったことも大きく影響していると思う。自然は時に不都合で不便なものだ。人の力ではどうにもならないことばかりだ。人はそこから謙虚さを学び、耐えることを知り、考える力を養い、許す心が育つ。つい最近まで家は、自然を学ぶ大切な場所だった。自然が家のなかに日常的にあった。まさしく「寛容」の心が育つ絶好の場所だった。高気密高断熱、24時間換気、ハウスメーカーに代表される工業化住宅やマンションに自然を学ぶ場所はほとんどない。便利さと快適さ、汚れれば張り替えるビニールクロス、掃除のしやすさだけしか価値を見出せないフローリング等々・・・。それを危険だと感じないのだろうか。犯罪を減らすために建築にもっとできることがあるはずだ。
by unocolumn | 2010-07-25 00:28 | 本・言葉
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